2017年10月11日

秋といえば・・・

毎年秋になると決まって飲むのが、
キリンビールの秋味。
サンマと合わせて飲むと、
ようやく秋を感じる。

ところが今年、
その恒例行事を
すっかり忘れていた。

先日ふと思い出したのだが、
時すでに遅し。
近所の店ではすでに売り切れ。

わざわざ取り寄せるのも面倒くさいので、
今年はあきらめることにした。

じゃあ秋を感じること、
他にないかなと思い、
ふと思い出した。

日本酒である。
日本酒のひやおろしである。
これぞ日本の秋、
酒飲みの秋だ。
さっそく明日買いに行こう。
ということで、
ひやおろしについて。
jozan.jpg

秋あがり
通常日本酒は冬に仕込まれる。
(大手メーカーは四季醸造という通年醸造が多い)

そして搾られた新酒は春の彼岸までに
火入れ(60〜65度で熱処理)をした後、
夏を超すまでひんやりとした土蔵の中、
酒にとって最も良い酒蔵の中で静かに貯蔵されると、
秋頃に向かって程よくおいしく熟成されていく。

このように、夏の土用を越して秋口になり
外気が酒と同じように冷えたころ、
酒はその香味が円熟し、
うまみが増してくる。
秋になるとうまくなる。
この状態を「秋あがり」という。

通常、清酒はここで二度目の火入れを行うが、
外気温も低くなり、
火落ちの危険性がないない酒を、
火入れをしないまま(生詰め)
貯蔵樽から小さな木樽へと移して瓶詰された。

ようするに、
生詰め(火入れしない冷のまま)で
販売(おろされた)用に詰められた酒。
それを「ひやおろし」という。

荒々しく尖っていた味わいが、
熟成により円熟を帯び、
日本酒の真髄をついた味わいとなる。
まさに秋の風物詩と言える。

火落ちとは
「火落ち菌」という乳酸菌の一種が
繁殖して起こる現象。

細菌は普通アルコールを嫌うが、
この菌だけは日本酒を好んで生育する。
火落ちした酒は、白濁し酸味や悪臭を放つ。

市場にひやおろしが出回るのが
9月から11月。
その時期により味に違いもある。

9月のトップバッターは
夏越し酒(なつごしざけ)とも呼ばれ
軽さの中にもまろやかなうまみがあり、
非常に飲みやすくなっている。
冷たくいただくのがおすすめ。

10月に登場のひやおろしは
秋出し一番酒(あきだしいちばんざけ)。
熟成や香りのバランスが整い
うまみが増してくるので、
燗酒にしてもよい。

11月に出るひやおろしは
晩秋旨酒(ばんしゅううまざけ)。
熟成は最高峰を迎え、
濃厚なうまみと豊潤さが相まる。

最終章を迎えたような力強さは
まさにフルボディの赤ワインを思わす。
冷やか、ぬる燗でちびちびやりたい。
posted by youcoat at 18:55| Comment(0) | バーテンダーの基礎知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月03日

ハイランドモルトウイスキー | グレンファークラス15年

久しぶりのお客さま。
口ひげを蓄えたダンディさんは
一年半ぶりのご来店だ。

さて、何しようかな……。
思案中の目の前に、
わたしは一本のスコッチを置いた。

「え、なぜわかったの?」
なんのことはない。
好きな酒が一緒だったので
覚えていただけの話。

「じゃあ、ストレートで」
くぴ……手首を軽く返して酒を運ぶ。
さすが飲み慣れている。

くぴ……くぴ……。
3くちで終わった。

「お替りちょうだい」
少し飲み、
「うまいねえ」
また少し飲み、
「うん、やっぱりうまい」

計3ショットを平らげ、
相好を崩したダンディさん。
「いや〜、ホントいい酒だった」

と、お釣りまで置いて帰られた。
スマートな飲みっぷり。
こちらのほうこそありがとうだ。
決してお釣りを頂いたから
言ってるわけではないですよ。

というわけで、
気になるそのお酒は?

ハイランドスコッチウイスキー
グレンファークラス15年
【GLENFARCLAS】

farclas.jpg

ホッグスヘッド(250リットル)の
ホワイトオーク樽と、
500リットルのシェリー樽の混合で熟成。

表記年数以上の熟成感が感じられ、
ハニーのような甘く濃厚な深みがあり、
割水しても味が飛ばない。
極めてコスパの高い逸品といってよい。
posted by youcoat at 20:34| Comment(0) | バーテンダーの基礎知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月28日

バーボンウイスキー・オールドグランダッド

「今日はすごくいいことがあって」
そう語ったバーテンダーは、
仕事帰りのお客さん。
なんでも店内で流していた
レイチャールズのMVに
反応したお客さんがいたそうだ。

レイチャールズは盲目でありながら黒人の魂を歌い、
ソウルの神様とまで言われたカリスマ歌手。

それで、バーボンの先駆者的存在でもある、
オールドグランダッドをダブらせ、すすめたらしい。

レイチャールズの力なのか、
それをたいそう気に入られたそうで、
調子づいた彼は、
同じ仲間のベーシルヘイデンをすすめ、
これまた気に入られて上機嫌、
という流れだそうだ。

ま、なんにしても、
すすめたお酒を気に入ってもらえるのは、
バーテンダー冥利に尽きるわけで、
上機嫌なのも納得。

というわけで、
今回はその二種類のバーボン
ご紹介します。

OldGranddad_2.jpg
オールドグランダッド【OLD GRABD DAD】
アルコール度数43度(86proof)6年熟成

アメリカ大統領がまだジョージワシントンの時代、
ベーシル・ヘイデン・シニアが蒸留所を建てた。
家業は受け継がれ、
三代目レイモンドが1882年、
バーボンウイスキーを誕生させた。

彼は祖父への敬愛を込め、
オールドグランダッドと名付けた。
初めて商品化されたバーボンともいわれている。

原料比率は定かにされていないが、
ライ麦の含有率が高く、
ジムビームの倍以上といわれている。

同バーボンは他にも、
オールドグランダッド・ボンデッド(注1)
オールドグランダッド114
の二種類がある。
現在はジム・ビーム蒸留所で造られている。

basilhayden_2.jpg
ベーシルヘイデン【BASIL HAIDEN’S】
アルコール度数40度(80proof)8年熟成
オールドグランダッド用の熟成原酒を
厳選してブレンドした
スモールバッチバーボンウイスキー。(注2)

名前の由来は
オールドグランダッドを世に出した
ベーシル・ヘイデン・シニア氏の名から。

オールドグランダッドと同様、
ライ麦の含有率が高く、
スパイシーな風味があり
軽やかな口当たり。


注1:ボンデッド
ボトルド・イン・ボンド法の略
単一蒸留所で同年ワンシーズンに蒸留された原酒のみを、
政府の保税倉庫で4年間熟成させた後、
100プルーフ(50度)で瓶詰めするという法律。

注2:スモールバッチ
選び抜かれた少数の樽(10樽以下)を
ブレンド(混合)し瓶詰めしたもの。
また一回の生産が少量の場合もこう呼ばれる。
posted by youcoat at 20:44| Comment(0) | バーテンダーの基礎知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする