2017年09月12日

蒸留について

お酒の種類には何がある?

見習いのスタッフにたずねてみますと、
えーと、えーと、えーと……。

『えーと』が多いのはダメ。
まるで勉強してない証拠ですな。

まず醸造酒から言ってみて?
「えー、ビール、日本酒」

ふむふむ、それから?
「ワイン」

はいはい、で?
「焼酎」

なるほど。
「リキュール」
ここまでくると、もうムチャクチャです。

焼酎、リキュールは醸造酒ではありません。
焼酎は蒸留酒、
リキュールは混成酒。

「あのぉ……」
期限をうかがいたずねてきます。
「何?」
「そもそも蒸留酒ってなんですか?」
今さら聞くかね。

ということで、
今回は蒸留酒について。
醸造酒や混成酒は
ちょいと難しいので、
またの機会に。

蒸留酒とは醸造酒を蒸留させたもの。
醸造酒とは先ほどの述べた
ビール、日本酒、焼酎などです。

製品になったそれらを
そのまま用いるわけではないですが、
例えばビールの状態になった醸造酒を
蒸留するとウイスキーになります。
(あくまで簡単に述べると、ですが)

同じように
ワインを蒸留するとブランデーに、
日本酒を蒸留すると焼酎に。

では、蒸留とはいったい何か。
まずビールを例にしますと、
ビールのアルコール度数は約5%前後。

100ccのビールがあったとすると
その内訳は、
純度100%のアルコールが5cc、
それに95ccの水が混ざったもの。
それがアルコール度数5%ということです。
pot.jpg
それでは蒸留のしくみを。
水の沸点は100度、
アルコールの沸点は
水より低く78.125度です。

それで5%のビールを加熱しますと、
まずビールの中に含まれている
アルコールが先に蒸発します。
そうして先に蒸発したアルコールを
凝縮させます。
すると純度の高いアルコール溶液ができます。
ただし100%ではありません。
だいたい一度目の蒸留で
約20%前後のアルコール溶液が抽出されます。
二度目になると、
それが60%を超えるアルコール溶液になります。
それが蒸留の仕組みです。

わかりやすく説明します。
大衆浴場などで、
背中にぽたりと水滴が落ちてきたこと
ありませんか?

ようは、あれと一緒です。
天井に上った湯気が、
凝縮されて水滴になる。

非常に簡単にまとめましたが、
蒸留という工程、
なんとなくわかっていただけましたか。



posted by youcoat at 22:48| Comment(0) | バーテンダーの基礎知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月11日

バベルの塔

意外に美術館好きのわたし。
お客さんがチケットをくださった。
国立国際美術館、バベルの塔展。

バベル.JPG

バベルの塔……。
ひょっとして
バビル二世が住んでいたやつ?

地球に飛来したバビル一世が造った
難攻不落の大要塞では?

その数千年後、
内部のコンピューターが選んだ住人が
たしかバビル二世だったような……。
自慢じゃないけど、
そのくらいの知識しかない。

ということで
たまたまヒマだったので、
いざバベルの塔へ。

知識もないので、
音声案内のヘッドフォンとともに
鑑賞すること一時間。

うーむ……さすがはブリューゲル。
その細やかな作品の数々。
訪れた価値は十二分と確信。

最後の一枚、
バベルの塔はさすがに長く並んだけど、
ただただ満足して美術館をあとに。

その帰り、久しぶりに立ち寄った居酒屋。
愛想は三流、味は一流という店。

「…っしゃい」
毎度まいど、
何が気に入らないのか、
おそろしく愛想のない声に迎えられる。

美術鑑賞のあとはワイン。
てな気分だったが、
そんな気の利いた飲み物はここにはない。
仕方がないので燗酒を頼み、
ツマミにかき揚げを注文する。

えらく遅いな……と思いつつ、
お銚子をお替りする。
しばらくすると、
とんでもないものが出てきた。

三段重ねになったかき揚げを
バイトのおばちゃんがぐらぐらと
恐る恐る運んでくる。
これか、遅かった理由は。

聞けば、三種類のかき揚げだとか。
重ねる必要があんのか?

しかも大容量。
完食できるだろうか。
内容量をきちんと記したほうが
いいと思うな。

しかし、よくみるとこれ、
何かに似てないか……。
そうだ、バベルの塔?

「マスター、これバベルの塔って名にしたら」
思わず口にした提案に、
マスターの反応は?
「なんすか、それ」
さすが無愛想。
期待は裏切らない。

バベルの塔の存在は神話とされている。
旧約聖書の「創世記」中に登場する
巨大な塔なのだが……
紀元前6世紀、
バビロンにあった遺跡とする説もある。

どちらにしても、
そのようなおごそかな建造物に
こっそりとバビル二世が住んでいたなんてこと、

そして、不愛想な居酒屋の
肴のネーミングに提案されたこと、

偉大な画家ブリューゲルは
想像さえできなかったろう。
posted by youcoat at 21:59| Comment(0) | バーテンダーの独りごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月05日

酒税法違反

先日、とあるスペイン料理店に行ってきた。
スパニッシュオムレツなどの前菜から始まって、
きのこのアヒージョやパエリアなどを頂く。

店主は毎年スペインまで修行に出向かれ、
新たな技術を仕入れて帰国されるそうで、
いつも最高の料理を提供してくれる。
ただし写真を撮ったら怒られるので、
料理画像はなし。

飲み物はビールスタートで、
白ワインからサングリアへ。

サングリアはワインに果実を漬け込んだ酒で、
簡単に作ることができる。

普段は甘い酒はあまり好まないが、
スペイン料理とはよくあう。
いや、じつにうまい。

こんなに相性のよい酒が、
じつは法律に引っかかるのだ。

酒税法違反

酒類製造免許があれば問題ないのだが、
そんなもの誰かれなく持っているわけがない。

で、特例措置として下記の項目が設けられている。

旅館等を営む者が宿泊客に提供するため、
その旅館の料理場の者がその料理場において
飲用を目的として作られること云々。

しかも、その上にベースとなるアルコールの種類や
漬け込む果物等の種類まで細かく決められている。
それを踏まえたうえで、
税務署に何らかんらの書類を提出しなければならないという
なんとも面倒くさいことになっている。

店主がその手続きもろもろをとっているのか
知る由はないが、
ぜひとも、
店の営業に支障が出ないよう
ただただ祈るだけである。

個人的感想。
 ↓↓↓
ほんと、バカ野郎な税務署だ。
posted by youcoat at 17:06| Comment(0) | バーテンダーの基礎知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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