2017年07月31日

【バーテンダーのつぶやき】ビニール傘

ほとんど返してくれないよ。

とある店のマスターがぼやいていたのは
雨降りのときにお客さんに渡すサービス傘のこと。

雨降りにはなくてはならないサービスがタオルと傘。
タオルは来店の際に濡れた衣服、
腕や頭などを拭ってもらうためのもの。
おしぼりとは別に乾いたフェイスタオルを用意している。

傘はお帰りの際にお渡しするもの。
わたしの店で用意しているのは百均の安物。
返却がないのを想定してのチョイスなのだ。
まあ、ないよりはマシという程度。

キタ新地には俗称新地傘というのが
たいていどこの店にもある。
これは百均ならぬ一本500円する大型のビニール傘。
百均の傘と違って、のちにも重宝する。
もちろんこちらも
返してもらおうとは微塵も思ってないだろう。
客単価が桁違いのキタ新地では
500円の経費などハナクソみたいなもんだ。

だからね、最近は買ってないの。
と、マスターは言った。

たとえ百均といえど、バカにならないのだとか。
たしかにそうだろう。
しかし、返してくれるのを期待するのは筋違いだと思う。
本や金を借りるのとはもともと種類が違う。
傘は貸すのではない。
差し上げるのだ。

で、買わないのならどうしているのか。

ない、と答えるか、
もしくは、お客様の忘れ物傘を渡すらしい。

「さすがにマズいのでは?」
「いいのいいの。どうせ覚えてないんだから」

それ以上は言わなかったけど、
忘れ物はやっぱりマズいだろう。

傘は貸すのではない。
差し上げるのですよ。


言えばよかったかなあ。
ラベル:バーテンダー
posted by youcoat at 23:54| Comment(0) | バーテンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月28日

バーテンダーの独り言 真夏の夜の出来事

じめじめと蒸し暑い夜。
「こんなときは何を飲んだらいいの」
「こんなときとは?」
「こんなときはこんなときよ。蒸し暑くてうっとうしいでしょ」

ああ、なるほど。
こういうことを聞かれても困るのだ。
ましてや相手は常連さん。
たいがいの酒は飲みつくしておるのだ。

「じゃー暇だし、パーッといきますか」
「ん、なになに?」
「テキーラで」

我ながら安易な発想だと思ったが、
酒飲み女史の反応は意外なほどよかった。

かつてテキーラにはまったことがあって、
ありとあらゆるテキーラを飲んだ。
少なくとも50種類以上は飲んでいる。

いろんな飲み方があるが、
わたしの好みはストレート。
チェーサーにトマトジュースを添えて。
これがあると塩とかライムはいらない。

ロングにするならストローハット。
これはトマトジュースで割るカクテル。
結局はトマトジュースが合うのだろうか。

ショットグラスに注いだテキーラを
塩を舐めていっきに飲み干すスタイルもある。
飲んだあとにライムをかじれば
アルコールの強さは不思議なほど感じない。
うまいことはうまいが、数杯で酔う。

「じゃあ、まずはマルガリータで」
「アイアイサー」

クエルボのホワイトをベースに手早く作ると、
わたしは同じクエルボのゴールドをストレートで。
「テッキーラ!マルガリィィータ!」
意味不明なテンションで乾杯。

それから女史はマルガリータをお替りし、
腹が減ったというので、
ポテトフライ&タバスコinケチャップを。
これがテキーラに結構あうのである。

そろそろ作るのが面倒になってきたので、
「テキーラはストレートがおいしいよ」
と100%アガベのアネホに切り替えさせ、
二人して杯を重ねた。

気がつくと閉店時間はとうに過ぎており、
外はセミの大合唱とともに、
二個も太陽があるほどに明るかった。

「だめ、今日は使い物にならない」
「仕事じゃなかったっけ?」
「休む」
あららら、ごめんなさいね。

教訓。
テキーラを深く飲むときは、
休日前にしましょう。
posted by youcoat at 21:21| Comment(0) | バーテンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする